The Remains of Runners ~走者の追憶~

陸上競技の海外記事を中心に執筆します。

2022年オレゴン世界陸上 男子100m覇者 フレッド・カーリー(Fred Kerley)

2022年オレゴン世界陸上。 男子100mは予選から圧倒的な力を見せたフレッド・カーリー選手が優勝しました。 全米選手権でも9.7台を2本揃えていたので、今大会は大本命と目されていました。これに割って入れるのは、東京五輪覇者のマルセル・ジェイコブズ(Marc…

ロベルト・エミアン (Robert Emmiyan) ③番外編

お久しぶりです。この2か月間、中々時間が取れず更新が滞ってしまいました。 本年度も宜しくお願い致します。では、記事に入りましょう。 走幅跳で世界歴代4位の記録を持つロベルト・エミアンについては、過去記事で詳しく紹介しました。 ロベルト・エミアン…

キム・コリンズ (Kim Collins)⑥

キム・コリンズ (Kim Collins)シリーズ、最終回です。 過去記事↓ キム・コリンズ (Kim Collins)① - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ キム・コリンズ (Kim Collins)② - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ キム・コリンズ (Kim Collins)③ - 走者の記憶~T…

キム・コリンズ (Kim Collins)⑤

キム・コリンズ (Kim Collins) シリーズもいよいよ終盤です。 前回はナショナルチームへの復帰と2015年のシーズンを追ってきました。今回はリオデジャネイロ五輪が開催された2016年以降のシーズンを見ていきましょう。 過去の記事はこちらです↓ キム・コリン…

織田幹雄 (Oda Mikio)

故織田幹雄さん。 日本人初のオリンピック金メダリストであり、日本陸上界の父。 167cm、65kgの身体で1928年のアムステルダム五輪に臨み、三段跳で15m21を跳び優勝。 今でも十分に通用する、立派な記録です。 www.youtube.com アムステルダム五輪当時の映像…

キム・コリンズ (Kim Collins)④

キム・コリンズ④です。 前回まで見てきたように、コリンズと国との間には長年に渡り大きな溝がありました。その確執は深刻なもので、2013年までの状況を見ると和解は到底不可能に思えました。 しかしながら、コリンズは2015年の世界陸上北京大会でナショナル…

生涯現役のアスリート①

マスターズの世界大会も行われているように、陸上競技は生涯スポーツとしての側面も持ちます。 ふと年齢別の世界記録を眺めていると、その記録には驚くばかりです。記録保持者の中には、往年の名選手の名前も見ることができます。 今回は、生涯現役をテーマ…

キム・コリンズ (Kim Collins)③

前回、前々回に引き続き、キム・コリンズと国との問題に焦点を当てていきます。 過去記事はこちら↓ キム・コリンズ (Kim Collins)① - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ キム・コリンズ (Kim Collins)② - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ 目次 1.逮…

キム・コリンズ (Kim Collins)②

キム・コリンズ (Kim Collins)②ということで、今回はロンドン五輪での騒動、そしてコリンズと母国との確執について明らかにしていきます。 前回の記事はこちら↓ キム・コリンズ (Kim Collins)① - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ 目次 1.ロンドン五輪…

キム・コリンズ (Kim Collins)①

キム・コリンズ (Kim Collins) は最も好きなスプリンターの一人です。 世界で活躍する短距離走者としては細身であることや、40才を超えてもなお自己ベストを更新する等、とても魅力的な選手です。何よりも、走ることが好きなんだな、とコリンズの試合を見て…

吉岡隆徳 (Yoshioka Takayoshi)

1932年のロサンゼルス五輪では故・吉岡隆徳さんが男子100mで決勝進出を果たします。吉岡さんは、その大会で優勝したエディ・トーラン (Eddie Tolan) の「深夜の超特急」という愛称にちなんで、「暁の超特急」と呼ばれた名選手でした。 0:56~ 1レーンを走る…

走高跳の歴史 (The History of HighJump)

皆さん、走高跳をしている選手を思い浮かべてください。 おそらく頭に浮かぶのは、背をバーに向けて華麗に跳び越える選手の姿でしょう。この跳躍方法は "Back-first Technique"(背面跳び)と呼ばれるものです。 実は、人類は非常に長い年月をかけて、この跳…

陸上競技の死亡事故事例 (Accidents On the Track)

基本的に選手同士のフィジカルコンタクトが少ない陸上競技では、物理的な要因による怪我や事故はあまり見られません。 しかしながら、陸上競技の練習や試合では大勢の選手が同じトラック・フィールドで動き回るがゆえの事故が発生します。 今回は国内外で起…

楊伝広 (Yang Chuan-Kwang) ②

こんにちは、後編は「映像で見る楊伝広」です。 幾つかの映像をもとに、楊に関する情報を追加しながら見ていきましょう。 目次 1.ローマ五輪での死闘 2.世界記録樹立 3.おまけ映像 1.ローマ五輪での死闘 楊伝広はYang Chuan-Kwangと読みます。 余談…

楊伝広 (Yang Chuan-Kwang) ①

目次 1.はじめに 2.楊伝広の略歴 3.次回予告 1.はじめに 皆さん、陸上界の「鉄人」といえば誰が思い浮かびますか? おそらく、若い世代ですと室伏広治選手、少し陸上に詳しい人ならその父である室伏重信選手の名前を思い浮かべることでしょう。 しか…

ロベルト・エミアン (Robert Emmiyan) ②

前回の続き、ロベルト・エミアン後編です! 前回の記事はこちら↓ ロベルト・エミアン (Robert Emmiyan) ① - 走者の記憶~The Reminds of Runners~ 新たに発見した記事はこちらです。(記事は2010年のものです。) 意訳しながら紐解いていきます。 archive.is …

ロベルト・エミアン (Robert Emmiyan) ①

今日はロベルト・エミアンという男子走幅跳の選手について。 エミアンは8.86という世界歴代4位の記録を持っていながら、あまり情報が載ってない選手です。 m.youtube.com 8.86をマークしたときの映像ですが、白線が凸凹と曲がって見えますね。土かタータンか…

ジェレミー・ウォリナー (Jeremy Wariner)

今日はジェレミー・ウォリナーという男子400mの選手について。 ウォリナーはアテネ五輪(2004)と大阪世界陸上(2007)の覇者です。 背筋の伸びた美しいフォームで世界歴代3位(当時)の43.45という記録を残しました。 元世界記録保持者のマイケル・ジョンソン…