The Remains of Runners ~走者の追憶~

陸上競技の海外記事を中心に執筆します。

ロベルト・エミアン (Robert Emmiyan) ①

今日はロベルト・エミアンという男子走幅跳の選手について。

 

エミアンは8.86という世界歴代4位の記録を持っていながら、あまり情報が載ってない選手です。

 

m.youtube.com

 

 

 8.86をマークしたときの映像ですが、白線が凸凹と曲がって見えますね。土かタータンかは判別できませんが、状態の良くない競技場で出した記録なのは間違いなさそうです。

 

鳥人」と呼ぶにふさわしい、伸びあがりのある美しいそり跳びですね。

 

さて、例のように英文記事を載っけます。

 

sport.mediamax.am

 

(2018年7月8日アクセス)

 

驚くべきことに、22歳でこの記録をマークしたそうです。

 

この日のことを次のように語ります。

 

"I was brimming with energy and it felt like I would jump over the sandpit altogether."

 

「この日はエネルギーが溢れて、砂場を飛び越えそうな気すらしたよ。」

 

エミアンは最高の状態で、今も残るヨーロッパ記録を叩き出しました。

 

この記録が30年以上も残ってることに対しては次のように語ります。

 

"My dream was to keep ther record for at least 5 years, but it's  been unbeaten for 30 years already. I'm asked sometimes if I'd like the record to stay forever. No,I wouldn't. I wish that one day Armerian athletes beat my record and set a new, better one. Nevertheless, whoever beats my record, I'll be the first to congratulate them," said Emmiyan.

 

「記録は5年保てば良いと思ってた。記録がずっと残って欲しいか?と聞かれることがあるけど、答えはNoだ。いつかアルメニアの選手が新記録を打ち立てるのを見たいね。誰が記録を塗り替えようとも、私が一番に祝福するよ。」

 

世界記録に迫ったエミアンですが、彼は一度も世界大会で優勝をしていません。同時期に争ったライバルには歴史上最高のロングジャンパーであるカール・ルイスマイク・パウエルが立ちはだかりました。

 

この辺りが、エミアンの知名度の低さに繋がっていると思います。

 

さて、それではエミアンはどのような人生を歩んできた人物なのでしょうか?

 

wikiの情報にはなりますが、エミアンは16歳で7.77の記録を出すなど早くから頭角を現しました。

 

その後はヨーロピアカップで好成績を収めるなどトップ選手に成長します。

 

そして、8.86を跳んだ1987年。

 

どうやら、アルメニアのTsaghkadzorという高地で記録を出したそうです。

 

1987年以降もエミアンは世界大会に出場し続けますが、1996年のアトランタ五輪で予選落ちした後に引退。

 

2010年からはアルメニアのスポーツ協会の会長を務めているそうです。

 

ところで、wikiにはさらに興味深い情報が載っていました。

 

1988年に巨大地震アルメニアを襲い、エミアンは父と残りの家族も失ったそうです。

 

この悲しい事故が原因でエミアンは心の病に罹り、競技にも影響を与えました。

 

身内の不幸がありながら、その後10年近く世界の第一線で活躍したということです。

 

引退後、エミアンはフランスのパリに移り住み、現地のアルメニアコミュニティで知り合った女性と結婚し、二人の娘をもうけます。

 

エミアンはいつか故郷に戻りたいと考えている、とありますが前述のように彼は現在アルメニアのスポーツ協会の会長をされているので、その願いは叶ったのかな?

 

もっと情報が出てきそうなので後編も書きますね。

 

それでは。

 

後編はこちら⇓

khorosho.hatenablog.com

 

khorosho.hatenablog.com