The Remains of Runners ~走者の追憶~

陸上競技の海外記事を中心に執筆します。

キム・コリンズ (Kim Collins)①

キム・コリンズ (Kim Collins) は最も好きなスプリンターの一人です。

 

世界で活躍する短距離走者としては細身であることや、40才を超えてもなお自己ベストを更新する等、とても魅力的な選手です。何よりも、走ることが好きなんだな、とコリンズの試合を見ていると感じます。

 

非常に長いキャリアを持つコリンズですが、今回はその略歴を途中までですが紹介したいと思います。

 

 コリンズの走り。

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目次

1.略歴表

2.1996年~2000年

3.2001年~2008年

4.2011年

5.総括

 

1.略歴表

略歴表

1976年4月5日 セントクリストファーネイビス (Saint Kitts&Nevis) に生まれる。

1996年 アトランタ五輪に出場。

1997年 世界陸上アテネ大会に出場。

1999年 世界陸上セビリア大会に出場。

2000年 シドニー五輪に出場。

2001年 世界陸上エドモントン大会で銅メダルを獲得。

2002年 コモンウェルスゲーム、100mで優勝。

2003年 世界室内選手権、60mで銀メダルを獲得。 

    世界陸上パリ大会の100mで優勝。

2004年 アテネ五輪に出場。

2005年 世界陸上ヘルシンキ大会で銅メダル獲得。

2007年 世界陸上大阪大会出場

2008年 北京五輪出場。

2009年 世界陸上ベルリン大会に出場

2011年 世界陸上大邱大会で銅メダルを獲得。

2012年 ロンドン五輪代表。

2013年 自己ベストの9.97をマーク。

2014年 自己ベスト更新。9.96をマーク。

2015年 世界陸上北京大会に出場。

2016年 40歳にして100mで9.93(+1.9)をマーク。リオデジャネイロ五輪に出場。

2018年3月3日 引退の意向を表明。

 

2.1996年~2000年

コリンズは、セントクリストファーネイビスというカリブ海の小さな島国に生まれました。何歳の時に陸上を始めたのかは分かりませんが、大学はアメリカのテキサス・クリスチャン大学に通っていました。セントクリストファーネイビスは観光が主要産業でこれといったビッグビジネスを持つ国ではありません。その中でもアメリカの大学に進学できたことから、コリンズはある程度裕福な家庭で育ったと考えます。1996年には20歳ながらアトランタ五輪の100mに出場します。結果は2次予選で敗退。記録は10.34でした。驚くことに、ここから2016年に至るまで主要な世界大会にほとんど全て出場しています。ここまで息の長いスプリンターは世界的に見ても非常に稀有な存在です。力をつけてきたコリンズは、2000年のシドニー五輪では100mで決勝に進出します。10.17で走り7位入賞しました。(7レーン)

 

シドニーオリンピック 陸上男子 100m決勝 - YouTube

 

3.2001年~2008年

2001年にはエドモントンで行われた世界選手権に出場し、200mで20.20をマークし銅メダルを獲得します。1レーンを走りメダル獲得とは珍しいですね。後半は激しい競り合いでした。この大会では100mでも決勝に残り、結果は10.07で5位でした。

 

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そして、2年後にパリで行われた世界選手権では100mで優勝に輝きます。記録は10.07と世界大会の優勝者としては平凡なタイムですが、1レーンを走ったコリンズが混戦を制しました。これは、コリンズのキャリアの中で唯一の世界大会(五輪、世界選手権)での金メダルです。

 

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さらに翌年のアテネ五輪では100mで決勝進出(10.00で6位)、2005年の世界陸上ヘルシンキ大会では100mで銅メダルを獲得します(記録は10.05)。

 

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2007年の世界陸上大阪と2008年の北京五輪は共に準決勝で敗退しました。しかしながら、2008年の五輪100mは決勝進出のラインが10.03という空前のハイレベルで行われた大会でした。コリンズは10.05のシーズンベストを出しています。結果は惜しくも敗退でしたが、大舞台でも自分のレースができるところがコリンズの強さです。1組目の5レーン。

 

Bejing Olympics - 100m Men's Semi Finals - Heats 1 & 2 - YouTube

 

4.2011年

コリンズは2009年に現役引退を発表しますが、2011年に復帰します。そしてウサイン・ボルトがフライングで失格になった世界陸上大邱大会の100mで銅メダルを獲得します。こういったチャンスをものにする点がコリンズの強さです。この時のコリンズは既に35歳になっていました。30歳半ば、それも一度は引退を表明した選手が世界選手権でメダルを獲得するという快挙を成し遂げました。中盤まではヨハン・ブレーク (Yohan Blake) をリードするなど、持ち前のスタートの速さを発揮したレースでした(3レーン)。また、この大会では4×100mリレーでも銅メダルを獲得しました。(1レーン、記録は38.49)

 

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5.総括

今回は、2011年までのコリンズの略歴を追ってきました。次回は2012年以降の競技人生について書いていきたいと思います。

 

続きはこちら

khorosho.hatenablog.com

 

《参考資料》

Kim Collins - Wikipedia(2018年8月3日アクセス)

Kim COLLINS | Profile | iaaf.org(2018年8月3日アクセス)

Kim Collins bids farewell to track at age 41 | Virgin Islands News Online(2018年8月3日アクセス)

Kim Collins Bio, Stats, and Results | Olympics at Sports-Reference.com(2018年8月3日アクセス)

GOFROGS.COM - Kim Collins Captures World Championship - TCU Horned Frogs Official Athletic Site(2018年8月3日アクセス)

Kim Collins' Day Off | Spikes(2018年8月3日アクセス)

Athletics at the 1996 Summer Olympics – Men's 100 metres - Wikipedia(2018年8月3日アクセス)

2007 World Championships in Athletics – Men's 100 metres - Wikipedia(2018年8月3日アクセス)

Beijing 2008 100m men - Olympic Athletics(2018年8月3日アクセス)